2013年4月18日木曜日

全曲バイブル回想録 Another Girl

この曲は1テイクで作成されているため、情報がかなり乏しく消化不良の記述となってしまった点は申し訳ないと感じる。ただ、適当な推測ばかりを書き並べてしまうと全体の信頼性が揺らぐので致し方なかったということである。

まず、モノバージョンの作成は1種類のみのはずだが、実際には映画のサウンドトラックに使われたモノバージョンが別ミックスになっている。2つあるボーカルトラックの使い方が異なっており、またボーカルには深いエコーが付けられている。ボーカルの相違として分かりやすいのは30秒付近から始まる2番のヴァースで、リリース版では"she"が大きい方のトラックがメインで使われているのに対し、映画バージョンでは"she"を歌ってない方のトラックがメインになっている。残念ながら昨今のDVDではオリジナルの音声を聴くことができないため、読者には欲求不満の情報になってしまう。しかもレコーディングセッション本にも映画バージョンの記載は無く、単なる推測情報となった。

更にレコーディング情報としても、ポールが追加したとされるリードギターが曲者であった。ジョージ・マーティンが残したメモから、当初からジョージがJ-160E、ジョンがストラトキャスターを弾いていることが明らかになっている。ここにポールがどのようにリードギターを重ねたか、を推測したが結論を出せない記述となってしまった。この場合、当初はリードギターらしいものが無いアレンジだったことになり不自然極まりない。ジョージかジョンがリードギターらしい演奏をしていたのではないかと思う。エンディングの編集パートまで作成していたのであるから尚更である。初日はそれでOKとしていたが、ポールが満足できず、ポールがリードギター、ジョンとジョージはカッティングのみという構成でギターパートのトラック全体を差し替えた、と考える方が自然ではないだろうか?

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