2013年4月13日土曜日

全曲バイブル回想録 Day Tripper

同期再生によってコーラスが2つのトラックを使って録音されている事などが判明したが、地道な作業を行う事で面白いネタを得ることもできた。修正箇所の元ネタ検出である。
演奏ミスを修正したバージョンがリリースされたが、どの様に修正したかは単純な同期再生では判断できない。解るのは、どこからどこまでが違うのか、という事である。ただし、今回は片方のチャンネルが丸ごと差し替えられているが、他方は修正されてない、という事まで判別できた。となると話は簡単、ステレオバージョンの音が左右に分離されているという特徴を利用して、修正したいチャンネルだけを差し替えたと推測できる。後は地道な作業である。数カ所ある比較候補を片方のチャンネルだけ同期させてみるだけだった。

周波数解析をしてみてギターの特徴も理解できるようになった。イントロのギターを解析すると、最初のE音は6弦の周波数とその倍音が出ていたが、時間の経過と共に6弦の周波数は直ぐに消え、倍音だけ残った。これがアコースティック系の楽器の特徴なのである。基音(最低音)が無くなるので軽い印象の音になる(ヘフナーも同じような特性を示す)。ソリッドボディだと基音が保持されるのだが、アコースティック楽器は低い音を共鳴させるのが難しいのだろう。つまり、この曲で使われたギターはストラトキャスターなどのソリッドボディのものではなく、カジノやギブソンES-345などのセミアコースティックな楽器と判断できる。

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