2013年5月13日月曜日

全曲バイブル番外編(演奏法) For No One

当たり前の事ではあるが、どのキーで演奏したかは演奏方法を探る上では特に重要になる。ギターの場合、カポタストで簡単にキーを変えられるため、先ずはこの確認をする必要がある。例えば、And Your Bird Can Singの没テイクで演奏されていた12弦ギターはカポ4でキーC、While My Guitar Gently Weepsのデモはカポ5でDm、といった具合だ。

ところがRUBBER SOUL以降はテープスピードを変えたことでキーが変わってしまう曲が出てきた。Strawberry Fields ForeverのギターアルペジオはキーCでないとあの雰囲気を出せないが、そのためにはYesterdayのようにチューニングを下げるしかない。

当然、キーを簡単には変えれないはずのピアノでも同じことが起こる。キーBだととんでもなく難しいFor No Oneのピアノも、実際に演奏したキーCだと驚くほど簡単になる。動きの激しいサビ部分も白鍵を左右に移動しているだけになる。
このサビには裏でリズムを取るようなラの音(リリース版ではG#)があるが、ルートのオクターブにはなっておらず、今ではお馴染みのポールのピアノ奏法とは違う過渡期の演奏と思われる。更に、このように裏でリズムを取るような弾き方はジョンが右手だけで行っており(We Can Work It Out、Imagin等)、それに触発されたポールが右手で弾いているかもしれない(実際、この音は右手でも左手でも演奏可能である)。そこから発展させて独自の演奏法に辿り着いたのではないだろうか。

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