先ずハープシコードの演奏者であるが、ルイソン氏のレコーディング記録ではジョンとされていたが、ジョージ・マーティン自身が自分で弾いたと証言しているのでこれを採用している。この証言の中では、ジョンはリズムギターを弾き、ポールのボーカルと同じトラックに録音されたとなっている。つまり、ポールのボーカルもガイドボーカルで、後で差し替えることが前提だったのだろう。結果的にジョンのギターは残っていない。
ジョージ・マーティンによると第2テイクは以下のようになっている。
1 ハープシコード(マーティン)、ベース(ポール)、ドラムス(リンゴ)
2 リードギター(ジョージ)
3 ボーカル(ポール)、リズムギター(ジョン)
4 コーラス(ポール、ジョン)
ここから以降の作業を推測すると、先ずはポールのボーカルを録音。
3 ボーカル(ポール)の再録音
これをテープリダクションして、新たな第3テイクとするが、その際にセカンド・ボーカルとセカンド・リードギターを加えながらリダクションしたと思われる。
予想:第3テイク
1 ハープシコード(マーティン)、ベース(ポール)、ドラムス(リンゴ)
2 リードギター(ジョージ)、コーラス(ポール、ジョン)、セカンド・リードギター(ジョージ)
3 ボーカル(ポール)、セカンド・ボーカル(ポール)
4 (空き)
最後に、空いたトラックへ再度、リズムトラックを録音したと思われる。
最終的なテープ構成:1 ハープシコード(マーティン)、ベース(ポール)、ドラムス(リンゴ)
2 リードギター(ジョージ)、コーラス(ポール、ジョン)、セカンド・リードギター(ジョージ)
3 ボーカル(ポール)、セカンド・ボーカル(ポール)
4 セカンド・ハープシコード(マーティン)、セカンド・ベース(ポール)、セカンド・ドラムス(リンゴ)
最終的なテープ構成:1 ハープシコード(マーティン)、ベース(ポール)、ドラムス(リンゴ)
2 リードギター(ジョージ)、コーラス(ポール、ジョン)、セカンド・リードギター(ジョージ)
3 ボーカル(ポール)、セカンド・ボーカル(ポール)
4 セカンド・ハープシコード(マーティン)、セカンド・ベース(ポール)、セカンド・ドラムス(リンゴ)
この、全ての演奏が二重になっている事実は、ルイソン氏のレコーディング記録からは読み取れない。モノバージョンとステレオバージョンを比較することで明らかになった事実である。それがジョージ・マーティンの証言と矛盾しないことから、この推測結果を採用している。