音源付き解説
http://mid2prn.com/wordpress/?p=729
2013年5月13日月曜日
全曲バイブル番外編(演奏法) For No One
当たり前の事ではあるが、どのキーで演奏したかは演奏方法を探る上では特に重要になる。ギターの場合、カポタストで簡単にキーを変えられるため、先ずはこの確認をする必要がある。例えば、And Your Bird Can Singの没テイクで演奏されていた12弦ギターはカポ4でキーC、While My Guitar Gently Weepsのデモはカポ5でDm、といった具合だ。
ところがRUBBER SOUL以降はテープスピードを変えたことでキーが変わってしまう曲が出てきた。Strawberry Fields ForeverのギターアルペジオはキーCでないとあの雰囲気を出せないが、そのためにはYesterdayのようにチューニングを下げるしかない。
当然、キーを簡単には変えれないはずのピアノでも同じことが起こる。キーBだととんでもなく難しいFor No Oneのピアノも、実際に演奏したキーCだと驚くほど簡単になる。動きの激しいサビ部分も白鍵を左右に移動しているだけになる。
このサビには裏でリズムを取るようなラの音(リリース版ではG#)があるが、ルートのオクターブにはなっておらず、今ではお馴染みのポールのピアノ奏法とは違う過渡期の演奏と思われる。更に、このように裏でリズムを取るような弾き方はジョンが右手だけで行っており(We Can Work It Out、Imagin等)、それに触発されたポールが右手で弾いているかもしれない(実際、この音は右手でも左手でも演奏可能である)。そこから発展させて独自の演奏法に辿り着いたのではないだろうか。
ところがRUBBER SOUL以降はテープスピードを変えたことでキーが変わってしまう曲が出てきた。Strawberry Fields ForeverのギターアルペジオはキーCでないとあの雰囲気を出せないが、そのためにはYesterdayのようにチューニングを下げるしかない。
当然、キーを簡単には変えれないはずのピアノでも同じことが起こる。キーBだととんでもなく難しいFor No Oneのピアノも、実際に演奏したキーCだと驚くほど簡単になる。動きの激しいサビ部分も白鍵を左右に移動しているだけになる。
このサビには裏でリズムを取るようなラの音(リリース版ではG#)があるが、ルートのオクターブにはなっておらず、今ではお馴染みのポールのピアノ奏法とは違う過渡期の演奏と思われる。更に、このように裏でリズムを取るような弾き方はジョンが右手だけで行っており(We Can Work It Out、Imagin等)、それに触発されたポールが右手で弾いているかもしれない(実際、この音は右手でも左手でも演奏可能である)。そこから発展させて独自の演奏法に辿り着いたのではないだろうか。
2013年5月10日金曜日
全曲バイブル番外編(演奏法) Back In the USSR
ジョン、ポール、ジョージによるロケストラ状態になっているが、幸いにもシルク・ド・ソレイユの『ラヴ』で各演奏が分離された状態で聴ける。
まず、ポールのリードギター。演奏開始となるフレーズは間奏最後と同じもので、14/3(3弦14フレット)から10フレット付近までスライドダウン、直ぐに11/4から12/4へスライドアップ&9/4へスライドダウン。早弾きをしているようにも聴こえてしまうがピッキングは2回だけというアイデアものの演奏である。その後、10/4を半音チョーキングしている。間奏自体は得意の人差し指でのチョーキングをメインに歌メロをなぞったもの。
次いでギターリフ。単音のリフではなく、最初の5/1の音には5/2の音が重なり、次の8/2の音には6/3の音が重なっている。つまり5フレット上でA7コードを押さえたまま弾いてる演奏だと判断できる。
となると、低音弦でのリフも同様の音が聴こえるので、ギターと同じことを6弦ベースで行っていると容易に想像が付く。
『ラヴ』での音の分離から、以上の3本のギターは同じトラックに録音されたもの、つまりギターリフはジョージ、6弦ベースのリフはジョンと判断できる。
まとめると、
左チャンネルは、ジョンのスネア、ジョージのギター、ポールのベース
中央がベーシックトラックで、ポールのドラムス、ジョージのベース(レコーディングセッション本と異なるが)、ジョンのギター
右がポールのリードギター、ジョンの6弦ベース、ジョージのギター(レコーディングセッション本の通りドラムスが含まれているならジョージとなるが)
ピアノは単独トラック
となるかと思う。。。マスターテープで確かめてみたい!
まず、ポールのリードギター。演奏開始となるフレーズは間奏最後と同じもので、14/3(3弦14フレット)から10フレット付近までスライドダウン、直ぐに11/4から12/4へスライドアップ&9/4へスライドダウン。早弾きをしているようにも聴こえてしまうがピッキングは2回だけというアイデアものの演奏である。その後、10/4を半音チョーキングしている。間奏自体は得意の人差し指でのチョーキングをメインに歌メロをなぞったもの。
次いでギターリフ。単音のリフではなく、最初の5/1の音には5/2の音が重なり、次の8/2の音には6/3の音が重なっている。つまり5フレット上でA7コードを押さえたまま弾いてる演奏だと判断できる。
となると、低音弦でのリフも同様の音が聴こえるので、ギターと同じことを6弦ベースで行っていると容易に想像が付く。
『ラヴ』での音の分離から、以上の3本のギターは同じトラックに録音されたもの、つまりギターリフはジョージ、6弦ベースのリフはジョンと判断できる。
まとめると、
左チャンネルは、ジョンのスネア、ジョージのギター、ポールのベース
中央がベーシックトラックで、ポールのドラムス、ジョージのベース(レコーディングセッション本と異なるが)、ジョンのギター
右がポールのリードギター、ジョンの6弦ベース、ジョージのギター(レコーディングセッション本の通りドラムスが含まれているならジョージとなるが)
ピアノは単独トラック
となるかと思う。。。マスターテープで確かめてみたい!
2013年5月9日木曜日
全曲バイブル番外編(演奏法) Taxman
ピアノとは違い、ギターは同じ音程を数カ所で出せるため、演奏法のコピーは一筋縄では行かない。逆に答えを見つけた時のアハ体験は格別である。
この曲のギターとベースはいずれもポールによる演奏であるが、正確なコピー譜は出されていないと思う。コピーをする際には、弦の違い(高音弦はスティール弦、低音弦は巻き弦)がポジションを割り出す重要なポイントになるが、誰が演奏したかも重要な判断材料になる。ポールのギター奏法の特徴として、ビブラートは薬指、チョーキングは人差し指、また人差し指をスライドダウンさせながらポジションチェンジする、といった奏法が手クセのようで頻繁に見かける事ができる。
これを念頭にTaxmanの間奏を聴いてみると、まず最初に8/2(2弦8フレット)の半音チョーキングが登場する。音階通りなら全音チョーキングするであろうから、この音は人差し指で出しているであろうことが推測できる。となると、最初の0/4(4弦開放)と一緒に弾いている7/3は人差し指、その後のファの音は10/3を薬指で弾くのが自然である。このポジションなら10/1の音も容易に弾ける。また、シタール風の下降フレーズも、人差し指で6/3をチョーキングアップ&ダウンから4/3へスライド、薬指で6/3、人差し指で4/3をチョーキングアップ&ダウンから2/3へスライド、薬指で4/3、人差し指で2/3をプリングオフ&2/3から4/3へスライド、という弾き方がポール風と推測できる。
一方、ベースも半音のハンマリングオンを多用している。最初の5/3は良いとして、次の7/1は6/1からハンマリングオンした音になっている。続く5/2から7/2でも、7/2は6/2からハンマリングオンさせた音になる。このニュアンスがないとベースの雰囲気は全く違うものになる。
この曲のギターとベースはいずれもポールによる演奏であるが、正確なコピー譜は出されていないと思う。コピーをする際には、弦の違い(高音弦はスティール弦、低音弦は巻き弦)がポジションを割り出す重要なポイントになるが、誰が演奏したかも重要な判断材料になる。ポールのギター奏法の特徴として、ビブラートは薬指、チョーキングは人差し指、また人差し指をスライドダウンさせながらポジションチェンジする、といった奏法が手クセのようで頻繁に見かける事ができる。
これを念頭にTaxmanの間奏を聴いてみると、まず最初に8/2(2弦8フレット)の半音チョーキングが登場する。音階通りなら全音チョーキングするであろうから、この音は人差し指で出しているであろうことが推測できる。となると、最初の0/4(4弦開放)と一緒に弾いている7/3は人差し指、その後のファの音は10/3を薬指で弾くのが自然である。このポジションなら10/1の音も容易に弾ける。また、シタール風の下降フレーズも、人差し指で6/3をチョーキングアップ&ダウンから4/3へスライド、薬指で6/3、人差し指で4/3をチョーキングアップ&ダウンから2/3へスライド、薬指で4/3、人差し指で2/3をプリングオフ&2/3から4/3へスライド、という弾き方がポール風と推測できる。
一方、ベースも半音のハンマリングオンを多用している。最初の5/3は良いとして、次の7/1は6/1からハンマリングオンした音になっている。続く5/2から7/2でも、7/2は6/2からハンマリングオンさせた音になる。このニュアンスがないとベースの雰囲気は全く違うものになる。
2013年5月8日水曜日
全曲バイブル番外編(演奏法) Day Tripper
この曲では2点あります。
まず、ジョンのコードフォーム。
多くの人は5フレット付近でE7を押さえているのではないかと思う。そのようなビデオクリップもある。だが、レコーディング時に演奏したフォームは、武道館ライブでも確認できる3度抜きの変則フォームである。フレット/弦の表記をすると、
0/6 7/5 9/4 9/3 0/2 0/1
なんと開放弦を3本も利用してルートと5度の音だけを弾いている。時折聴こえる7度の音は3弦の9フレットの音を離して7フレットの音を出している。
当然Aコードも3度抜きかと思いきや普通のローポジションのAコードで、時折2弦と3弦を離して開放弦の音を出しているようである。こちらは、武道館ライブではF#m7のようなフォームだったので少々違和感があるが。
2つ目はやはりポールのベース。
ギターリフと同じフレーズだが運指が全く違う。
7/3 5/2 6/2 9/2 9/1 7/1 9/2 11/1 9/2 7/1 9/2
最初の3弦7フレットは中指で押さえる。続く2弦5フレットと6フレットは人差し指、後半の1弦11フレットは9フレットからのスライドである。この弾き方は武道館ライブで容易に確認できる。
まず、ジョンのコードフォーム。
多くの人は5フレット付近でE7を押さえているのではないかと思う。そのようなビデオクリップもある。だが、レコーディング時に演奏したフォームは、武道館ライブでも確認できる3度抜きの変則フォームである。フレット/弦の表記をすると、
0/6 7/5 9/4 9/3 0/2 0/1
なんと開放弦を3本も利用してルートと5度の音だけを弾いている。時折聴こえる7度の音は3弦の9フレットの音を離して7フレットの音を出している。
当然Aコードも3度抜きかと思いきや普通のローポジションのAコードで、時折2弦と3弦を離して開放弦の音を出しているようである。こちらは、武道館ライブではF#m7のようなフォームだったので少々違和感があるが。
2つ目はやはりポールのベース。
ギターリフと同じフレーズだが運指が全く違う。
7/3 5/2 6/2 9/2 9/1 7/1 9/2 11/1 9/2 7/1 9/2
最初の3弦7フレットは中指で押さえる。続く2弦5フレットと6フレットは人差し指、後半の1弦11フレットは9フレットからのスライドである。この弾き方は武道館ライブで容易に確認できる。
2013年5月7日火曜日
全曲バイブル番外編(演奏法) I Saw Her Standing There
ビートルズの書籍は数あれど、音楽的な面について書かれているものはほとんどない。元々、ギターやピアノの耳コピを趣味とし、簡単に楽譜として残せる様にMID2PRNというソフトを作ったくらいなので、この状況は残念な限りである。この要因は、多分、著作権であろう。書物に楽譜を掲載すると著作権料が莫大になるので解説をする際に不便極まりないのだ。
という訳で全曲バイブルにも音楽的な解説や分析は控えめになっている。ここでは敢えて楽譜を使わないで強引に解説してみる。
最初に選んだのは、I Saw Her Standing There のベース。
Talking 'bout Youのギターリフを拝借したとポール自身が明かしているが、今やこのリフを聴けば I Saw Her Standing There を連想する人の方が多いだろう。
基本的な弾き方は、フレット/弦 という表記をすると、
7/3 7/3 6/2 7/3 9/2 7/3 7/2 6/2
コードの構成音には含まれない2弦7フレットの音を使うところが印象的であるが、ここでポイントにしたいのは2弦9フレットの音。通常は小指で押さえるであろう何気ない音であるが、時々、スライドさせたニュアンスの付いた箇所がある。映像として確認した事はないのだが2種類の演奏法があり、時として薬指によるスライドでこの音を出している場合があったはずである。逆に、小指で行っていたとすれば、引っ掛けるように滑らせながら指を離す弾き方をしていたということになる。
という訳で全曲バイブルにも音楽的な解説や分析は控えめになっている。ここでは敢えて楽譜を使わないで強引に解説してみる。
最初に選んだのは、I Saw Her Standing There のベース。
Talking 'bout Youのギターリフを拝借したとポール自身が明かしているが、今やこのリフを聴けば I Saw Her Standing There を連想する人の方が多いだろう。
基本的な弾き方は、フレット/弦 という表記をすると、
7/3 7/3 6/2 7/3 9/2 7/3 7/2 6/2
コードの構成音には含まれない2弦7フレットの音を使うところが印象的であるが、ここでポイントにしたいのは2弦9フレットの音。通常は小指で押さえるであろう何気ない音であるが、時々、スライドさせたニュアンスの付いた箇所がある。映像として確認した事はないのだが2種類の演奏法があり、時として薬指によるスライドでこの音を出している場合があったはずである。逆に、小指で行っていたとすれば、引っ掛けるように滑らせながら指を離す弾き方をしていたということになる。
2013年4月22日月曜日
全曲バイブル回想録 Help! その2
モノバージョンとボーカルバージョンの相違の調査がメインだったこともあり、重要な書き残しがひとつあった。モノバージョンのミックス違いである。
この曲とTicket To Rideは映画でのマイム禁止のため、タンバリンを抜いたバージョンが作成されている。Ticket To Rideは所々でタンバリンの音量を下げる程度で誤魔化しているが、主題歌となるこの曲ではボーカルを録音し直してタンバリンを削除したのは全曲バイブルで記載した通りである。
そうまでして作成したモノバージョンであるがオープニング部分の10秒ほどはオリジナルのボーカルに差し替えられていることまでは述べている。この差し替える前の新録音だけのモノバージョンが初期の映画用として使われているという事に関する分析が全く漏れていた。
新録音となったオープニング部分は、ジョージの声が大きく、ポールの半音ずつ上がって行くパートが余り聴こえない。これが差し替えられた理由ではないかと思われる。
また、オリジナルの録音同様、ボーカルは2トラック録音されているが、メインとなっているトラックが異なっている。リリース版のモノバージョンでは、3番目のヴァースで"I never needed anybody's"をしゃがれた感じの声で歌っているが、当初はこれが入ったトラックをメインとしてミキシングされていた。そして、リリース版のモノバージョンを作成する際には、しゃがれた部分だけは残して、他は別トラックのボーカルをメインとしてミキシングしている。
この曲とTicket To Rideは映画でのマイム禁止のため、タンバリンを抜いたバージョンが作成されている。Ticket To Rideは所々でタンバリンの音量を下げる程度で誤魔化しているが、主題歌となるこの曲ではボーカルを録音し直してタンバリンを削除したのは全曲バイブルで記載した通りである。
そうまでして作成したモノバージョンであるがオープニング部分の10秒ほどはオリジナルのボーカルに差し替えられていることまでは述べている。この差し替える前の新録音だけのモノバージョンが初期の映画用として使われているという事に関する分析が全く漏れていた。
新録音となったオープニング部分は、ジョージの声が大きく、ポールの半音ずつ上がって行くパートが余り聴こえない。これが差し替えられた理由ではないかと思われる。
また、オリジナルの録音同様、ボーカルは2トラック録音されているが、メインとなっているトラックが異なっている。リリース版のモノバージョンでは、3番目のヴァースで"I never needed anybody's"をしゃがれた感じの声で歌っているが、当初はこれが入ったトラックをメインとしてミキシングされていた。そして、リリース版のモノバージョンを作成する際には、しゃがれた部分だけは残して、他は別トラックのボーカルをメインとしてミキシングしている。
2013年4月18日木曜日
全曲バイブル回想録 Another Girl
この曲は1テイクで作成されているため、情報がかなり乏しく消化不良の記述となってしまった点は申し訳ないと感じる。ただ、適当な推測ばかりを書き並べてしまうと全体の信頼性が揺らぐので致し方なかったということである。
まず、モノバージョンの作成は1種類のみのはずだが、実際には映画のサウンドトラックに使われたモノバージョンが別ミックスになっている。2つあるボーカルトラックの使い方が異なっており、またボーカルには深いエコーが付けられている。ボーカルの相違として分かりやすいのは30秒付近から始まる2番のヴァースで、リリース版では"she"が大きい方のトラックがメインで使われているのに対し、映画バージョンでは"she"を歌ってない方のトラックがメインになっている。残念ながら昨今のDVDではオリジナルの音声を聴くことができないため、読者には欲求不満の情報になってしまう。しかもレコーディングセッション本にも映画バージョンの記載は無く、単なる推測情報となった。
更にレコーディング情報としても、ポールが追加したとされるリードギターが曲者であった。ジョージ・マーティンが残したメモから、当初からジョージがJ-160E、ジョンがストラトキャスターを弾いていることが明らかになっている。ここにポールがどのようにリードギターを重ねたか、を推測したが結論を出せない記述となってしまった。この場合、当初はリードギターらしいものが無いアレンジだったことになり不自然極まりない。ジョージかジョンがリードギターらしい演奏をしていたのではないかと思う。エンディングの編集パートまで作成していたのであるから尚更である。初日はそれでOKとしていたが、ポールが満足できず、ポールがリードギター、ジョンとジョージはカッティングのみという構成でギターパートのトラック全体を差し替えた、と考える方が自然ではないだろうか?
まず、モノバージョンの作成は1種類のみのはずだが、実際には映画のサウンドトラックに使われたモノバージョンが別ミックスになっている。2つあるボーカルトラックの使い方が異なっており、またボーカルには深いエコーが付けられている。ボーカルの相違として分かりやすいのは30秒付近から始まる2番のヴァースで、リリース版では"she"が大きい方のトラックがメインで使われているのに対し、映画バージョンでは"she"を歌ってない方のトラックがメインになっている。残念ながら昨今のDVDではオリジナルの音声を聴くことができないため、読者には欲求不満の情報になってしまう。しかもレコーディングセッション本にも映画バージョンの記載は無く、単なる推測情報となった。
更にレコーディング情報としても、ポールが追加したとされるリードギターが曲者であった。ジョージ・マーティンが残したメモから、当初からジョージがJ-160E、ジョンがストラトキャスターを弾いていることが明らかになっている。ここにポールがどのようにリードギターを重ねたか、を推測したが結論を出せない記述となってしまった。この場合、当初はリードギターらしいものが無いアレンジだったことになり不自然極まりない。ジョージかジョンがリードギターらしい演奏をしていたのではないかと思う。エンディングの編集パートまで作成していたのであるから尚更である。初日はそれでOKとしていたが、ポールが満足できず、ポールがリードギター、ジョンとジョージはカッティングのみという構成でギターパートのトラック全体を差し替えた、と考える方が自然ではないだろうか?
2013年4月17日水曜日
全曲バイブル回想録 Baby You're A Rich Man
ステレオバージョンとモノバージョンの相違はパーカッションの有無という些細なものであった。ただ、ステレオバージョンが作成されたのはビートルズ解散後であるという点で重要な情報となった。
ステレオバージョンはもちろんビートルズとは無関係な状態で、4トラックのマスターテープから作成されている。問題の相違箇所には4種類のトラックの音が全て入っていて、オフになっているトラックは無い。ところが、モノバージョンには、この部分に別の音もミキシングされているのである。つまり、モノミキシングの作業中に音を加えたことは明白である。ミキシング作業中に音を加える、というのは以前から(たとえばCan't Buy Me Love)行われていたが、1967年の時点でも行われていたということである。
マルチトラックテープに全てを録音したわけではなく、リリースバージョンを再現できない曲を探すというのも目標となった。
ステレオバージョンはもちろんビートルズとは無関係な状態で、4トラックのマスターテープから作成されている。問題の相違箇所には4種類のトラックの音が全て入っていて、オフになっているトラックは無い。ところが、モノバージョンには、この部分に別の音もミキシングされているのである。つまり、モノミキシングの作業中に音を加えたことは明白である。ミキシング作業中に音を加える、というのは以前から(たとえばCan't Buy Me Love)行われていたが、1967年の時点でも行われていたということである。
マルチトラックテープに全てを録音したわけではなく、リリースバージョンを再現できない曲を探すというのも目標となった。
2013年4月13日土曜日
全曲バイブル回想録 Day Tripper
同期再生によってコーラスが2つのトラックを使って録音されている事などが判明したが、地道な作業を行う事で面白いネタを得ることもできた。修正箇所の元ネタ検出である。
演奏ミスを修正したバージョンがリリースされたが、どの様に修正したかは単純な同期再生では判断できない。解るのは、どこからどこまでが違うのか、という事である。ただし、今回は片方のチャンネルが丸ごと差し替えられているが、他方は修正されてない、という事まで判別できた。となると話は簡単、ステレオバージョンの音が左右に分離されているという特徴を利用して、修正したいチャンネルだけを差し替えたと推測できる。後は地道な作業である。数カ所ある比較候補を片方のチャンネルだけ同期させてみるだけだった。
周波数解析をしてみてギターの特徴も理解できるようになった。イントロのギターを解析すると、最初のE音は6弦の周波数とその倍音が出ていたが、時間の経過と共に6弦の周波数は直ぐに消え、倍音だけ残った。これがアコースティック系の楽器の特徴なのである。基音(最低音)が無くなるので軽い印象の音になる(ヘフナーも同じような特性を示す)。ソリッドボディだと基音が保持されるのだが、アコースティック楽器は低い音を共鳴させるのが難しいのだろう。つまり、この曲で使われたギターはストラトキャスターなどのソリッドボディのものではなく、カジノやギブソンES-345などのセミアコースティックな楽器と判断できる。
演奏ミスを修正したバージョンがリリースされたが、どの様に修正したかは単純な同期再生では判断できない。解るのは、どこからどこまでが違うのか、という事である。ただし、今回は片方のチャンネルが丸ごと差し替えられているが、他方は修正されてない、という事まで判別できた。となると話は簡単、ステレオバージョンの音が左右に分離されているという特徴を利用して、修正したいチャンネルだけを差し替えたと推測できる。後は地道な作業である。数カ所ある比較候補を片方のチャンネルだけ同期させてみるだけだった。
周波数解析をしてみてギターの特徴も理解できるようになった。イントロのギターを解析すると、最初のE音は6弦の周波数とその倍音が出ていたが、時間の経過と共に6弦の周波数は直ぐに消え、倍音だけ残った。これがアコースティック系の楽器の特徴なのである。基音(最低音)が無くなるので軽い印象の音になる(ヘフナーも同じような特性を示す)。ソリッドボディだと基音が保持されるのだが、アコースティック楽器は低い音を共鳴させるのが難しいのだろう。つまり、この曲で使われたギターはストラトキャスターなどのソリッドボディのものではなく、カジノやギブソンES-345などのセミアコースティックな楽器と判断できる。
2013年3月30日土曜日
テネシアン その4(Words Of Love)
Words Of Loveのギターは12弦ギターではないのではないか、というのが自論であるが、では何を弾いたのかを述べる必要があると思う。
現在入手できるVOX AC-30 での検証となるが、NORMALチャンネル(音を歪ませない方の入力端子)に付いているトレブルコントロールをフルアップ状態にすると正にこの音になる。つまり、この音はグレッチとVOXアンプで作れるもっとも高音の効いた音と言える。
具体的なセッティングは、
テネシアン側は、フロントピックアップ、トーンスイッチはセンター
アンプ側は、トレブルコントロールがMAX、ベースコントロールは中央
である。
アンプの影響が大きいのでカントリージェントルマンでも同じような音が出るのではないだろうか。ポイントはリアピックアップより更にブリッジ寄りをピッキングする事である。この音色はフェンダー系ギターのリアピックアップの音に近いことから、バディ・ホリーが弾くストラトキャスターの音色に近づけるために編み出した方法ではないかと推察する。
この組み合わせで試せる方は是非検証してみて頂きたい。
現在入手できるVOX AC-30 での検証となるが、NORMALチャンネル(音を歪ませない方の入力端子)に付いているトレブルコントロールをフルアップ状態にすると正にこの音になる。つまり、この音はグレッチとVOXアンプで作れるもっとも高音の効いた音と言える。
具体的なセッティングは、
テネシアン側は、フロントピックアップ、トーンスイッチはセンター
アンプ側は、トレブルコントロールがMAX、ベースコントロールは中央
である。
アンプの影響が大きいのでカントリージェントルマンでも同じような音が出るのではないだろうか。ポイントはリアピックアップより更にブリッジ寄りをピッキングする事である。この音色はフェンダー系ギターのリアピックアップの音に近いことから、バディ・ホリーが弾くストラトキャスターの音色に近づけるために編み出した方法ではないかと推察する。
この組み合わせで試せる方は是非検証してみて頂きたい。
2013年3月24日日曜日
全曲バイブル回想録 テネシアンは使ったの?
レコーディング資料の中でも第一級なのがジョージ・マーティンが残したメモである。高価な書籍の一部なので、とても個人では入手できないが、FromBEAさんがたまたま所有されていて内容を確認することができた。
HELP!のレコーディング・セッションの一部が記録されたもので、アビーロードスタジオに残されているレコーディング記録より詳細である。
たとえば、
注目すべきはBassの記載で、まだリッケンバッカーベースを所有していないのでベースと言えばヘフナーを指していることである。
同じように、
逆に区別が必要であれば以下のような表現がされている。
HELP!のレコーディング・セッションの一部が記録されたもので、アビーロードスタジオに残されているレコーディング記録より詳細である。
たとえば、
John on 12 string acoustic
George on Spanish acoustic
Paul on Bass
といった記述がトラック毎に記載されている。この例で言えば、ジョンはギルドのアコースティック12弦ギターを演奏、ジョージはガットギターを演奏、ポールはベースを演奏、となる。ミキシング作業のために楽器の種類も明確にしていたと思われる。注目すべきはBassの記載で、まだリッケンバッカーベースを所有していないのでベースと言えばヘフナーを指していることである。
同じように、
Paul on Epiphone
John on Fender
という記載があるが、エピフォンと言えばカジノ、フェンダーと言えばストラトキャスター、と特定できるのでメーカー名で十分ということらしい。逆に区別が必要であれば以下のような表現がされている。
George on 12 string Rickenbacker
Jumbo Gibson acousticJ-160Eは愛称のジャンボが使われているが、これはポールのテキサンと区別するためなのかも知れない。
そして問題は以下の記載である。
George on Gretsch
グレッチにはテネシアンとカントリージェントルマンの可能性があるはずだが、区別する必要がないのか、はたまた一方しか使ってなかったのか。そう言えば、映画の中でも、レコーディング・スタジオではカントリージェントルマン、屋外ではテネシアン、と使い分けていた。軽いテネシアンはライブ用(何かあっても安いので惜しくない)、大事なカントリージェントルマンはスタジオでのレコーディング用という使い分けがあったのかも…
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