2013年1月18日金曜日

全曲バイブル回想録 Martha My Dear

全曲バイブルでは主としてモノバージョンの優位性を説いているが、『アビーロード』はステレオ盤しか発売されてない。つまり、どこかにステレオバージョンが優位に立った転換点があるはずである。

これは全曲を調査する過程で偶然に発見することができた。
ミキシング作業においては、ボーカルに何らかのエコーが必ず掛かっている。モノバージョンとステレオバージョンのミックス違いが全く無い場合ですら、ボーカルに掛かったエコーの些細な違いはあるものである。私の拙い文章力では、これを表現するのが難しく歯がゆい思いをする事がしばしばあった。
ところが更に困った事に、Martha My Dearではエコーの相違すらなかった。原稿の執筆に当たって途方に暮れていた時、ふと閃いた。8トラック(つまり8種類)の音をミキシングするのに全く相違が無いという、完璧な作業をできるものだろうか?しかもいつものモノバージョンより先にステレオバージョンが作成されている。ここまで辿り着けば答えは簡単である。ステレオバージョンをモノにミックスダウンするようになったのはこの時期ということだ。

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