2013年3月24日日曜日

全曲バイブル回想録 テネシアンは使ったの?

レコーディング資料の中でも第一級なのがジョージ・マーティンが残したメモである。高価な書籍の一部なので、とても個人では入手できないが、FromBEAさんがたまたま所有されていて内容を確認することができた。

HELP!のレコーディング・セッションの一部が記録されたもので、アビーロードスタジオに残されているレコーディング記録より詳細である。
たとえば、

John on 12 string acoustic
George on Spanish acoustic
Paul on Bass
といった記述がトラック毎に記載されている。この例で言えば、ジョンはギルドのアコースティック12弦ギターを演奏、ジョージはガットギターを演奏、ポールはベースを演奏、となる。ミキシング作業のために楽器の種類も明確にしていたと思われる。
注目すべきはBassの記載で、まだリッケンバッカーベースを所有していないのでベースと言えばヘフナーを指していることである。
同じように、

Paul on Epiphone
John on Fender
という記載があるが、エピフォンと言えばカジノ、フェンダーと言えばストラトキャスター、と特定できるのでメーカー名で十分ということらしい。
逆に区別が必要であれば以下のような表現がされている。

George on 12 string Rickenbacker
Jumbo Gibson acoustic
J-160Eは愛称のジャンボが使われているが、これはポールのテキサンと区別するためなのかも知れない。

そして問題は以下の記載である。
George on Gretsch
グレッチにはテネシアンとカントリージェントルマンの可能性があるはずだが、区別する必要がないのか、はたまた一方しか使ってなかったのか。そう言えば、映画の中でも、レコーディング・スタジオではカントリージェントルマン、屋外ではテネシアン、と使い分けていた。軽いテネシアンはライブ用(何かあっても安いので惜しくない)、大事なカントリージェントルマンはスタジオでのレコーディング用という使い分けがあったのかも…


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