2013年3月3日日曜日

全曲バイブル回想録 I Want To Hold Your Hand

ドイツ語バージョンの演奏は英語版と同じ、とレコーディング記録に記されていたので、同期再生による調査を始めてから比較的早期に確認した曲である。実際に比較してみると、手拍子も違うし、リードギターの半音進行フレーズも違うし、文章だけでは伝わらない事が多々あると感じた。

90年代後半は手作業で同期作業を行っていたため、少々荒い同期処理になっていた。これは、レコード音源では避けられないワウフラッター(レコード再生の技術的な問題で発生してしまう音の揺れ)から来る精度の限界を考慮していたという面もある。ところが、この曲ではCDでモノバージョンとステレオバージョンが揃うので、可能な限り精度を上げてみた。すると、ミキシング時の手拍子の音量変化を確認することができた。ミキシング作業に於いて何をポイントにしていたかが分かるようになったということである。
同様な事が、We Can Work It OutやHey Judeでも行われており、ミックス違い調査の新たな視点を得られると共に、アビーロードのコントロールルームが随分近く感じられるようになった。

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